セールスマンの死

昨年はトム・ストッパードの舞台を見たバリモア劇場に、
アーサー・ミラーの「セールスマンの死」の舞台を夜見に行きました。マイク・ニコルズ演出、主役はフィリップ・シーモア・ホフマンという豪華なタッグ。話題の舞台なので、もう、小さな劇場がいっぱいでした。
ま、アメリカ人なら一度はきっと学校かなんかでよまされるだろう、アメリカの古典のひとつになっているのではないでしょうか?いかにも演劇を勉強している感じの学生も多く見に来てました。
舞台セットはオリジナルセットを作った人の名前がクレジットしてたので、変化していないらしいことがプログラムからは読み取れました。ちょっと変な感じでしたけど・・・。芝居はすごかった。ホフマンの演技がとにかくすごい圧倒されます。私とほとんどために近い彼が、自殺においこまれていく60代の男性を演じている訳ですが、もう、その年齢にしか見れない。それにシニカルだけど、どこかチャーミングの彼の個性もきちんと出てた気がする。ただ、多分、演出のせいなのか、台詞のいくつかの最後は聞こえるか聞こえないかの大きさで話すので、自分の感情が台詞に入り込んでいっていときに声が小さくなるのは、ちょっとイラットしました。ま、アメリカ人なら多くの人が知ってる台詞なのかもしれないけど。ホフマンの演技もすごかったけど、脇を支えた俳優さんたちも、みなよかった。
そういえば、不満そうな10歳くらいの少年が始まる前に母親に舞台の長さを聞き、その母親が劇場の人に聞いていたら「3時間」といわれて、母親はびっくり。少年は「ブロードウェイでもっとも面白くないのに3時間も?」という答え。10歳の少年に面白い訳がないよね。母親は学校で習ったことも忘れてたのかな?ミュージカルにしとくべきでしたね。少年が自慢できるとしたら「スモールビル」でレックスのお父さんやっているジョン・グローバーが主役の兄弟としてでてくることかな?
楽しい、ハッピーエンドを期待して、この芝居を選ぶことだけは、やめた方がいいでしょう。とことん、悲しいし、自分の人生を考えさせられてどっぷり暗くなりたいあなたにおすすめです。