the book of Mormon

夜は友人と
いま、ニューヨークで最もホットなだしものを見ました。
デイリー・ショーで取り上げられていたのをみて、
東京から速攻友人に頼んだおかげで席をとることができました。
高かったよーん。
でもよかった。NYならではのミュージカルです。
普段はミュージカルはみたいとは思わないのですが、
これは別。サウス・パークの製作者たちとアベニューQの作曲家による作品だからです。
もちろん、内容はかなり際どい、エッジの効いたコメディ。
ちょっとアフリカに対する表現はきつすぎるので、おそらく、他の国で上演するのは難しいでしょう。
内容はもちろんいわずとしれたNYで生まれ、ユタ州に根付いた有名なモ〇モン教のお話で、
誰もが一度は見たことのある白いシャツで小奇麗な装いをしてにこやかな笑顔で勧誘する
若い伝導をする青年たちの話です。
NYで19世紀初頭、ジョセフ・スミスがイエスキリストから実際(?)に啓示をうけ、
さらに天使からアメリカ先住民の歴史の描かれた金の板を授けられ、徐々に西に向かうが、
彼は亡くなり、ブリカム・ヤングが跡をついで、モ〇モン教が定着するということを簡単にみせてから、
話はスタートします。
最初のナンバーは「Hello」伝道師の訓練所でいかにも小奇麗で笑みをうかべた青年たちが、
モ〇モン教の本をもって玄関のベルをならし、Hello! I am elder ****. といって勧誘の言葉を話し始めるのを歌に載せていきます。
10人の青年はいかにも小奇麗で張り付いたような笑顔で歌い上げますが、ひとり毛色の変わったずんぐりむっくりというか、
太っていて、ちょっとおたくっぽい青年がひとり調子を狂わせながら歌い上げます。
で、この歌が終わると二人一組で伝道先を告げられていきます。
日本やノルウェイ、フランスなど地名が挙げられ、青年たちは仲良しと組める喜びと伝道先の国への期待を口にしていきます。
この訓練で一番できのいいと皆に思われている青年と前述のオタク青年が、最後にウガンダにいくように告げられて、優等生の青年は
本当はフロリダのオーランドに行きたかったし、しかもオタク青年と組まされて意気消沈してしまいます。
ここからは優等生の青年とオタクの青年が伝導先でおこす騒動が話の中心になります。
ネタバレは、まだ始まったばかりのミュージカルなので、やめておきますが、
で、いろいろあって最後はアフリカの人が青年たちと同じようにで勧誘する「Hello!」で締めくくられます。
(ただし、ここではモ〇モン教の本ではなくて、・・・・)
ここかしこに、ライオンキングなどの有名のミュージカルのパロディ、
スタートレックスターウォーズ指輪物語などのパロディが散りばめられます。
笑いっ放し、一曲ごとの拍手もすごかったし、最後は完全なスタンディング・オベーション
劇場が熱かったです。ものすごいエネルギーが舞台にも客席にもあふれていました。
面白かったけど、歌も踊りも見事だったけど、アフリカの村の人がみんなエイズを患っていたり、
ちょっとやりすぎなところもある。f-wordもいっぱい出てくるし、
全編に渡ってどぎつさが魅力だけど、ちょっとNY以外でやるのは
むずかしいでしょうね。
それでもこんなにお腹をかかえて笑ったのは久々で満足でした。
話は単純で、爽やかな歌と踊りという意味では王道ミュージカルですが、
歌詞と内容はどぎつい。
もし英語があまり理解できない人にはただのさわやかなおもしろいミュージカルと理解されそうなので、普通のミュージカルと違って言葉が理解できない人ちょっとお勧めできない感じです。
それにしても、考えてみるとモ〇モン教ってアメリカらしい宗教ですね。
アメリカらしさを上手に皮肉ったミュージカルでした。
どぎついパロディでお腹を抱えて笑いたい人にはオススメです。
体がふるえるほど、笑えます。

長くなってしまいましたが、主役のずんぐりむっくりしたアーノルドはデイリー・ショーにも顔をだしていますし、
優等生の青年役のハンサム君は日本のアニメの吹き替えをいっぱいやっております。
ワンピース、ポケモン遊戯王、シャーマン・キングなどなど
しかし、どこかの国の声優と違って、ルックスもメチャメチャいいし、しかも踊って歌えるのもすごい。