男子フィギュア感想。

ジョニー・ウィアー 氷上のポップスター [DVD]
昨日から、続いている私のオリンピック観戦感想。長すぎですね。
ジュベール君、オーラをおうちに置いてきちゃったんですね。かわいそうな限りでしたが、それでも、同じグループで滑った選手と比べると点数にならない美しさ、うまさなどは感じられました。ただ、エキジビションに出てこれないのは残念無念です。彼こそが、この4年間の男子スケートの牽引者であっただけに残念でした。
フリーの振り付けは小塚君の振り付け(たぶん佐藤さん)とJavier Fernandez君の振り付け(たぶんモロゾフ氏)が好きでした。若くてかわいい子が良かっただけなのかもしれないけど、彼らの魅力がよく出せていて、流れが美しい振り付けでした。
今回のオリンピックでの私の一番は、前回のオリンピックでSPは2位だったのにFPの日にバスに乗り遅れて、オーラが感じられないとかいって真っ黒闇だったウィアー君(Johnny Weir、参照:2006-02-17)。今回は演技もその前後も楽しませてもらいました。メダルはだめだったけど、とっても見ごたえがありました。ああいう、アメリカのいい子ちゃん的なところがない、色もの的な彼の良さがきれいな形でよく出ていたと思います。他の選手にはないちょっとした動きがとても繊細で、神経の行き届いた動きが美しかったです。フリップジャンプでのエッジとスピンでバランスを崩したのが残念でしたね。あと、4回転を飛んでほしかったです。演技後、審査を待っているkiss&cryで赤いバラの花輪をあたまにのせ、赤いバラのブーケを持っていたのも批判的にとりあげられたりしていますが、私は彼らしくていいのはないかと思います。ちょっと安いルネサンス絵画の肖像画のようでかわいかったですよ。オリンピック前に毛皮をコスチュームに使っていじめられたりしたのも含めて盛り上げ屋さんとしても大活躍でした。
また、アメリカではこけた高橋君より不当に点数が低いとウィアー君のメダルは取られたと大騒ぎする記事やコメントも目立つ。うーん、でも、構成とか見ると高橋よりは低くなると思うけど、アメリカ人が勝たないと不当要求をする人の意見な気がした。。ほかにもチャンより点数低いってどうよという人もいるけど、地元には地元応援点がさりげなく入るのはそういうもんでしょうとしか言いようがない。さらに審査員がホモフォビアだから点数が低くされたとむちゃくちゃなご意見。審査員がホモフォビアってそれこそ偏見でしょう。確かに、点数は伸びず、審査にもいろいろ思うけど、メダルは取れなくても、観客の心をつかむ演技をウィアー君は勝ちとったと思いますけどね。
プルシェンコ王も確かに以前のスケーティングはできてなかったけど、気合いのスケーティングが良かったです。精細には欠いたけど、限界に挑戦している王者の風格をむしろ感じました。あと、何があってもこけないという集中力には脱帽です。今回試合そのものは彼を中心に動いていたという気がします。
高橋君もすごく良かったですね。挑戦する姿勢、スケーティングものっているかんじで、ストーリー性がある演技でしたね。ランビエール君の演技も成熟してて、スピンも相変わらず良かった。
みんな、それぞれの特徴のある演技だったので、、一位が一番つまらなかった。総合力があるという意味で彼なんだろうけど、ペアの勝者となった中国の選手のような他を寄せ付けないすごさを感じませんでした。衣装がシンプルすぎのためか、背が高いためかなんだか演技が単調に見えちゃった。とてももったいないですよね。本来、背が高く女の子にモテモテワイルドハンサムの彼らしい演技と衣装があったと思うのだけれど、冷静に他の選手と比べて戦略を考えすぎて、すべてが無難すぎて、なにか物足りないものになってしまったんだと思う。緻密な戦略だけでなく、彼らしさをだせば、王者らしかったのに、残念だった。
というわけで長々感想を書いてきましたが、最後に私の今回の一番だったウィアー君のショートプログラム(先月の全米選手権での演技)を貼ってみます。このプログラムでのコルセットをモチーフとしたコスチュームも大好きです。その次はランビエールとのペア演技?さいごは、始まったばかりの彼のリアリティー・ショーの宣伝です。ものすごい、色ものぶりを発揮してます。続けて、どうぞ!