新刊案内

The New Testament: A Facsimile of the 1526 Edition
大英図書館が新しくウィリアム・ティンダル(William Tyndale 私としてはティデルかティンデイルが良いと思うのですが)の聖書を8月末にHendricksonより出版します。1526年のファクシミリ版で、D先生の短い解説付です。
数年前にでた現代綴り版が好評だったので、今度はファクシミリ版出版となりました。
現在、市場に出ている1526年のファクシミリ版は高価なもので、しかも19世紀末にでた版を利用している事が多かったので喜ばしい事です。ただし、本のカバーに出版社による簡単な解説がついているのですが、これに間違い発覚。指摘したところ、その編集者が利用した本のミスであることが今日になってわかってきました。その本はあまりに大きなものなので、みな細かいチェックをいれてなかったので、それがアダとなったようです。しかし、編集者なら一冊の本だけを頼りにして、本のカバー書くなよといいたいし、最終段階に入る前にSocietyに知らしてほしかった。先生がこのカバーを見たら怒るでしょうね。
頭イタ。
ご興味のある方は、表紙の説明を無視して下されば、問題ないので、ぜひ読んでみてくださいね。画像はハードカバーですが、革版もあります。
The New Testament: The Text of the Worms Edition of 1526 in Original Spelling
この画像の本は前述の現代綴り版です。
残念ながら、これにも細かい間違いがあるので、学術的に利用される場合は、ご注意下さい。ただ、ファクシミリ版もこの現代綴り版のいずれも、普通に読むには問題ありませんので、ティンダル訳を読んでみたいという方にはお勧めできます.
特に、この現代綴りのサイズはティンダルの翻訳の大きな特徴の一つです。ルターをはじめとする多くの聖書がこの時期に大判で作られたのに対し、彼は小さなサイズで出版します。私はこれこそが、彼のメッセージの一つと思っています。
ファクシミリ版を出版したHendricksonは様々な聖書を手がけています。近年では1611年の欽定訳、1560年のジュネーブ訳の(ファクシミリ版)も出していますので、ティンダル訳と比較するとおもしろいですよ!