両極端

Letter From America, The Essential 1940's And 1950's (BBC Audio)
ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習<完全ノーカット版>MANKINI水着付BOX(初回生産限定) [DVD]
夜、スコットランドから帰ってきた友人とテレビを見てました。最初はアラステア(アリステア)・クックの生涯を振り返る番組。2004年になくなったイギリス人ジャーナリストはイギリスではアメリカの自然から政治、文化まで紹介する人物として知られ、アメリカではイギリスの芝居をテレビで紹介する英国紳士として知られています。彼の落ち着いた声と、アメリカの大自然を映し出す映像のコンビネーションは印象深いもので、その生涯もそれに負けないほどユニークなものでした。
そのあと、サーシャ・バロン・コーエンの特集番組を見ました。ALI Gでイギリスでは知られるようになり、日本では昨年公開の「ボラット」でコメディアンとして知られるようになりました。中産階級出身のユダヤ人らしくケンブリッジを卒業し、アクターズスクール(ここの教師が実在しているとは思われないほど変な人だった)を経て、小さいなケーブル番組に出演し、やがて、ALI G、さらにボラットで世界進出していった過程を描いた番組でした。
非常にくだらない質問で有名人から本音とキャラクターを掘り起こすALi G、人種差別的外国人としてアメリカ各地を訪れ、普段メディアでは見ることのできないアメリカ人の持つ真の差別主義をあらわにしていくさまは、おもしろいし、感服してしまいます。またユダヤ人というたちばだからこそくりだせる様々な差別表現(たとえば白人相手に「ユダヤ人はみんな殺してしまえ」と歌ったりする)も彼の強みかもしれないと思いました。
前世紀を代表する英国文化人の一人であるクックと今世紀を代表するであろうイギリスのコメディアンコーエンは両極端ですが、どちらも興味深い存在です。