世界の陵墓:Angevin Empire編

6年前に学会で一週間程過ごした場所は、プランタジネット朝アンジュー朝)ゆかりの人々が眠るソミュール郊外のフォントブロー修道院( l'Abbaye Royale de Fontevraud )でした。
初代であるヘンリー2世とその妃であるアキテーヌのアリエノールとその息子リチャード獅子心王シチリア女王ともなった娘ジョーンと彼女の息子トゥールーズ伯レイモン7世、さらにジョン王の二度目の妻アングレームのイザベラが眠っています。(ちなみに夫ジョン王(欠地王)の墓所はウースターにあります)
仲の悪い事で有名なヘンリー2世と妃に獅子心王が一緒の場所に寝ているというのもすごいですが、獅子心王は脳と心臓はそれぞれの別の所にあって、残りがこの修道院に眠っております。この修道院フランス革命後ナポレオンが刑務所にして以来1963年までそのまま刑務所として使われて、最近になって文化施設に生まれ変わりました。
王家の人々が眠る墓が刑務所として使われていたというのもスゴいですよね。そんなこと、日本では絶対あり得ないですよね。
イギリス王家の人々はこのフォントブロー修道院以外ではウィンザー城内にあるチャペルに最も多く、その他にはグロースター、カンタベリーピーターバラ、ウースターの大聖堂やウェストミンスター寺院などに埋められております。多くは英語ではeffigyと呼ばれる死亡者の実物大の石などで彫られた像を表にして埋められております。実物大彫刻墓石とでもいうんでしょうかね。