大統領就任と伝説の人

最近、知って、ヘーっと思った事を書いておきましょう。
大統領就任日は1804年に憲法修正第十二条(大統領と副大統領選挙における選挙人規定)が批准された以降は3月4日に行って、1933年に憲法修正第二十条(アメリカ合衆国議会の会期と大統領選挙の規定)が批准されてからは1月20日に行われております。
しかし、これが日曜日にかかると問題がおきてきます。
最近だと、レーガンさんの時は内輪だけの(といってもテレビに就任した後の姿は写ったけど)就任式を日曜日に行って、月曜日に公式のものをおこなっています。
それ以前も、同じように内輪だけの就任式を日曜(や土曜)に行って、月曜日に公式の就任式を行うというのが通例の様です。
しかし、19世紀の前半には安息日(Sabbath) を守るという発想が今より強かったので、土曜日に前大統領がやめて、月曜日に新大統領が就任するという大統領空白の日が二度おこっています。
一度目はJ・モンロー大統領の第二期目(1821)、二度目はZ・テイラー(1849)です。二期目ではなかったテイラーの就任前夜、誰が国の有事に責任を持ったのか考えてみましょう。
第二の大統領継承者である副大統領(上院議長も兼任する)も大統領就任と同時ですから、その一日大統領は上院仮議長 (President pro tempore of the Senate)だったといわれます。(現在では下院議長 (Speaker of the House)が副大統領の次の大統領継承者です。)そこで、当時の上院仮議長 であるDavid Rice Atchinsonが一日大統領("President for One Day")  だという考えが一種の都市伝説となっています。
しかし、第一に仮議長も大統領と同じく任期がおわっているということ。第二に(憲法では宣誓するように明記してはいないものの)大統領代行としての宣誓を行っていない事を考えると、彼が一日大統領であった可能性は低いと言えます。
大統領や副大統領より前に上院仮議長は宣誓するので、数分の間、仮議長が大統領代行でありえるという考えが考慮できます。
いずれにせよ、彼(Atchinson)はその任期の間、副大統領代行に就いています。
ミズーリ州にある彼の墓碑には
President of the united states for one day
Sunday. Mar. 4. 1849.
と刻まれており、また、彼についての展示をするカンザス州Atchison郡歴史博物館はその展示を最も小さな大統領図書館とうたっています。

へー!(確実な裏を取っていないですので、丸呑みしないでくださいね!)