電子とはいえ図書館サービスには持続性を期待

一昨日かな?アメリルネサンス学会(Renaissance Society of America RSA)からの連絡で10月31日にProquestによるEEBOとのアクセス権を失うと連絡がきました。
心臓が止まりそうなショッキングな連絡です。

EEBOとはearly english book online の事で英米で16、17世紀に出版された書籍を網羅したデーターベースと書籍のファクシミリ版の電子データ提供サービスのことです。
RSAは図書館や研究機関などではなくて唯一EEBOにアクセス権を保有する団体です。これは16世紀の文献を利用して研究する私にとっては最も大事な電子図書館なのですが、
勤め先の図書館はアクセス権を持っていないので、RSAに所属して利用しています。これは世界的に見ても同じでイギリス近世を研究する人の多くもEEBO導入された大学や
研究機関で働いている訳ではなく、学会がアクセス権を保有するかしないかは、死活問題です。

しかもProquestはRSAからのアクセスが極端に多いという事を契約を更新しない最初の理由としてあげており、
それとこれからの彼らは自分たちのデータベースは図書館利用を第一に考えているからというのが契約を更新しない理由だそうです。
データーベース内容から当然利用者の中心は近世を研究する団体で最も大きな学会の一つであるRSAのメンバーとなるのは
アクセス権の契約結ぶ前からわかってただろうに理解できないし、図書館相手の商売なのにネット上とはいえ図書サービスを突然やめるとは持続性という図書館サービスの基本を無視してる。

そもそも書誌情報は彼らが作ったものでもないし、データはファクシミリファクシミリ
もちろん、データーベースを安定的にサービス提供するのも大変とはいえ、データそのものは多くの図書館などのからの提供で作られており、
一つの会社が管理すべきものなのだろうか?しかも最大利用者を見限るなんて、理解できない。
世界中で怒り表明がネット上見受けられましたが、そんなことより、あと二日という事で、
まずはデータをハードディスクにできるだけ貯めるべく作業をしていたらなんとproquestがホームページに契約の継続更新と学会員を混乱させたとお詫び文を掲載。

混乱させただと!心臓が止まったよまったく。全然、ダウンロードが間に合ってなかったから、契約が続いてほっとしましたが、考えさせられました。

学術機関にデータベースを提供しているにしても、彼らが企業であり、商用なのであるということ。EEBOなんて、多くの公共図書館の資料提供や学者の作業に依って成り立っており、考えてみると一つの会社に管理されるべなのか疑問に感じるようになりました。データベースも立派な図書館の一つと私は思っていて、図書館というのは持続性が大事とつくづく思いました。ある日突然、おさめられた資料がなくなるなんて、考えられない。
どこぞのレンタル図書館では地元に関連する文献捨ててたけど、公共に資料を提供する団体が態度をコロコロ変えたり資料を撤退するなんて考えられません。
この契約問題によって、研究のネット上のツールに色々疑問をもつようになりました。研究者のSNSのようなサービスは幾つか企業によって運営されてて、世界的規模で論文のやり取りやコミュニケーションに使われているけど、考えてみるとこれもかなりヤバいような気がしてきました。なんのために、無料で個人の論文集めるんです?論文ですから、使ってもらってなんぼだけど、だけど、それを企業が運営する理由ってなに?とか変な事に疑問を持ってしまいました。ま、この辺りよりも、まず、また何時切られるかわかりませんから、必要な文献は出来るだけダウンロードするのが先ですね。
とりあえず、来週もeeboが使える事には大変感謝していますが、proquestには大変失望しました。